【超長文レポート】第7回サンスポ古河はなももマラソン
こんなことがあっていいのだろうか。
昨年に引き続き参加したはなももマラソン。
結果だけ言ってしまえば、昨年の2時間55分から今年は2時間44分(ネットでは43分)まで縮めることができた。普通に考えて著しい成長、ということができるが、とにかく払った代償が大きすぎた。
一流選手は言い訳をしない。
先日の東京マラソンで途中棄権した大迫選手は、レース後、
言い訳はありません、強くなって9月帰ってきます!!
— suguru osako (@sugurusako) March 3, 2019
「言い訳はありません、強くなって9月帰ってきます!!」とだけツイート。孤高のヒーローはここでも格好良い。
同じく東京マラソンに出場し、MGC出場権利を獲得した神野大地選手も、その前の福岡国際マラソンで振るわず、
福岡国際マラソン応援ありがとうございました。
— 神野大地 Daichi Kamino (@daichiagu) December 2, 2018
納得のいく結果には程遠い走りでしたがこれからもチャンスがある限り諦めません。
引き続き応援よろしくお願いします。 pic.twitter.com/CCGHp9J9jn
「福岡国際マラソン応援ありがとうございました。納得のいく結果には程遠い走りでしたがこれからもチャンスがある限り諦めません。引き続き応援よろしくお願いします。」とコメントし、言い訳がましいことは全くというわけでもなかったがしなかった。
カッコいい。これぞシリアスランナー。プロは結果が全てなのである。
しかしながら僕は一流選手ではないし、シリアスランナーでもない。ちょっと足の速いファンランナーである。むしろ大いに言い訳して、みんなからヨシヨシしてほしい。よくぞそんな逆境で最後まで!と神のように崇め奉ってほしい。
だから本日も張り切って言い訳したいと思う。以降は、36歳一般男性(IT業界)、言い訳の記録である。
今回のレースは未だかつてないほどの高コンディション。絶好の条件が揃っていた。
珍しく体重は66kg台と軽量化に成功した状態で当日を迎え(レースにおいて軽量化に成功することは稀)、体調も良好。自分のルーティンも滞りなくすませることができ、脱糞マネジメントも完璧。改善する項目がないくらいの状態でスタートラインに並べたはずだった。(一週間前に足柄峠走50kmをやり、そのダメージがしつこいことが不安材料としてあったが、それ以外に懸念はなかった)
正直、自信があった。
インスタでは2:39:59が目標、と公言していたが、余裕で37分、36分くらいまでいけるんちゃうかぁ?と思っていた。そしてその結果をインスタに投稿し、みんなからいいね!もらって、そんなことないよぉ(へへん)ってなる準備満タンだった。
しかし、神は試練を与えるようなんである。奴とは絶対に友達にはなれそうにない。
言い訳①:Polar Vantage vのバカヤローのせいでペースが乱高下しつつも予定より速いペースで入ってしまった。
スタートして直ぐに、ペースと時計のラップが合わないことに気づく。体感では3分30秒くらい出しているのに、4分30秒とかの表示になる。明らかにおかしいので一旦時計をリセットして計測し直すが、全く状況は変わらない。
1km経過の表示を通り過ぎても、時計は750mしか進んでいない。アホか。
着けていた時計は、Polar Vantage v。噂の問題児だ。
この時点でPolar Vantage vについてのdisブログを一万字くらい書いてやりたいほどの遣る瀬無い気持ちに襲われるが、一旦手動計測に移し、なんとかペースコントロールを図る。
が、明らかに予定よりも速い速度で入ってしまっていること、1kmごとにしかスピードを確認することができないため、ペースが乱高下してしまい、かなり体力を序盤から奪われてしまった。
言い訳②:ヴェイパーフライ -14%
平行して気にかかるのは、足の裏だ。
こちらもスタート直後から「すれる」感じがあり、かなりストレスがかかっていた。明らかにシューズの中で足の裏が擦れている。10kmくらいこの状態で走ったらマメができるのは確実。このまま42kmも走ったらおれの足裏はどうなってしまうのか。ザクロのようになってしまうのではないか。
履いていた靴は、もちろん「因縁」のヴェイパーフライだ。それもゲットしたてのギャクソウver。逆走ってなんだよ。順走したいよ。
彼(ヴェイパー)との因縁はこちらの記事を参照頂きたい。
ヴェイパーフライは僕の走り方には合っているものの、足の形には全く合っていないのはわかっていた。先日のふかやシティハーフマラソンでも、左足に大きなマメを負ってしまった。
しかし、それでも僕はヴェイパーフライを選んだ。理由は「可能性」だ。可能性にかけた。あんぱいのズームフライよりも、可能性のヴェイパーフライ。どちらがベンチャーな判断かと言えば、間違いなく後者だ。ズームフライなら39分くらい確実に出せに行けるが、ヴェイパーなら36分くらいまで行けると思ったのだ。リスクを取ったんだ。
選んだからにはこいつを信じるしかない。とにかく信じて前に突き進む。
足裏と時計以外のコンディションは万全だった。足は動くし、天気も良い。
明らかにタイムを狙える。はやる気持ち。動く足。しかし、狂う時計に、にっくきヴェイパーフライ。3歩進んで4歩下がる。
突き進めば突き進むほど、足裏の痛みが増してくる。ポラールは相変わらず狂っていて、いまのラップを4分20秒とか言ってくる。明らかに3分50秒切っとるわ!
そんな怒りにまみれながら、中間地点を通過。この時は気づかなかったが、通過した時点でハーフベストタイムだった(時計が狂ってたのでそれすら分からなかった)笑 地味にナイスペースメイクだった。
しかしこの辺りから、足裏の痛みが本気を出してくる。1km走るごとに4%痛くなる。あまりに痛くて、それまでずっと一緒だった集団から遅れ始める。悔しい。
これがヴェイパーフライの呪いか、、、どこまでも僕に試練を与えてくるヴェイパーフライ。お前はそんなに俺のことが嫌いか。
気を散らそうと甘みをとったり、給水をこまめにするなどいろいろ試みるが、明らかに足裏の水ぶくれが巨大化してきているのがわかる。
破裂寸前の水風船を、足裏に抱えながら走るこの感じ。今体重をかけることは自殺行為に等しい。
僕は短足の割にストライドが広く、跳ねるように走るので、「ダイナミックな走りだね」とよく言われるのだけど、ダイナミックさはこの場合命取りになる。だから、この辺りから完全にすり足。レッツヒールストライク。ダイナミックに走りでもしたら、いつこの足裏の水蒸気爆弾たちが暴発するかわかったもんじゃない。
慣れないピッチ走法、そして激痛。「やっぽりマラソンは嫌いだわー」「終わった後の風呂が地獄だわー」とか考えながら、なんとかキロ4分前後のペースを保つ。ペースは落ちているが、周囲のほうが僕よりペースが落ちていた。
このままいけば、なんとか自己記録は更新かな、、、?なんとか、なんとかこのまま安全走行で行こう。無理はせず、すり足ヒールストライクで頑張るんだ。
いつもとは違う圧倒的ヒールストライク。ここまで来たら、なんとしても。
そう思った瞬間だった。39km手前のことだった。
パン。ズル。
右足の裏の痛みの「質」が劇的に変化した。僕の足裏のテポドンは、地味な音と激しい痛みとともに人知れず爆発した。
浮かせた右足を地面に着陸させることができない。着地の瞬間、痛みという電撃が体を駆け巡る。
いやこれはマジでやばい。痛すぎる。
ここまできてリタイアが頭によぎる。ふつうに着地できず、右足を引きずるように走る。いやマジでこれは無理だ。
しかし、ここで歩いてしまえば、記録更新は危うい。なんとか振り絞らないといけない。
僕は息を止めて我慢した。マラソンなのに息を止めるなんて意味がわからないが、それくらい意味不明な痛さだった。頭も足の裏も呼吸も全部混乱してる。
たぶんマラソン人生で、最も痛いラスト3kmだった。
自分のタイムがわからないから、がんばる理由もわからないし、この痛みを何かで逃れることができるなら、すぐにでも逃げたかった。それを我慢に我慢して走り切ることができたのは、精神的な成長なのかもしれない。ただ代償は大きかった。
レース後、自分の足を見て唖然とした。救護室で消毒液をかけられた時、痛さで全身が震えた。このブログを書いている今でも、ちゃんと歩くことができないし、なにより・・・
ヴェイパーフライめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
ここまでシューズに嫌われたことは初めてである。心をひらいてくれたと思ったらこんな仕打ちをしてくるとはどんな悪女やねん。上原多香子か。
本当に言わせてもらうと、ヴェイパーじゃなければ絶対40分切れた!マジで!ガチで!リアルガチで!言い訳だろうが他責だろうが、完全に-14%だ!確実にシューズ選択を間違えた!
でもここまで嫌われたら仕方ない!絶対に乗りこなしやる!絶対にヴェイパーを屈服させ、我に跪かせてやる!
次のフルマラソンはいつになるかわかりませんが、絶対にこのGYAKUSOU Vaporflyでゴールして、ゴール後コースをGYAKUSOUして勝利の美酒に酔いしれたいと思います。
そして皆さん、その時はヨシヨシと褒めちぎってください。心の底からよろしくお願い致します。
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