【レースレポート】第69回 別府大分毎日マラソン大会

2020年最初の勝負レース「別府大分毎日マラソン」、出場してきました。どのくらい勝負・本気レースかというと、同日開催のブレアフェスという僕の大好きなバンドが勢揃い(PTP、coldrain、MONOEYES、などなど)する超激レアチケットイベントに呼んでいただいたのに、それを断ってまでフルマラソンを走る、というくらいの本気度。まさに勝負レースでした。

しかしながら結果は惨敗。プライベートベストだからいいじゃないかそもそも走ることを楽しめればいいじゃないか・・・いろんなコメントがありますが、うるせぇうるせぇ!目標未達はやっぱり悔しいし、スラムダンク仙道くんの言葉を借りれば「最後に俺が勝つから」マラソンは楽しいわけです。

記録 2時間41分32秒(公認グロスPB更新)

(目標タイム 2時間34分59秒)


今までのフルマラソン史上、最大限の準備をして臨みました。トレーニングも、ウェアも、リカバリーも。自己ベスト更新は当たり前、目標到達すら用意だと考えていたため、悔しいを通り越して真顔になるくらいな感じなわけです。


ということで、Aレースなので、きちんと振り返りたいと思います。


■レース当日(朝)

睡眠時間は8時間としっかりと取り、スタートが12時なのでゆっくりと準備を進めました。しかしながら起きた瞬間から腰が痛い。少し部屋の中をJOGしてみると、明らかに足が重い。

頭にやな予感がよぎります。それと同時に悪寒も・・・


カラダが温まっていないからかな?と思って、熱めのシャワーを浴びて気を紛らわせようとするわけですが、カラダの重さは変わりはなく。うーん、昨日の食事はむしろ軽めだったしなぁ・・・


レース前一週間の過ごし方は問題なかったと思います。練習量も通常の1/5以下に落としていたし、落としながらも刺激をいれつつ、完璧なテーパリングができていたと思います。大好きなトレイルもだいぶ我慢したしね。

TrainingPeaksの当日の数値も完璧だったと思います。

  • FITNESS:99
  • FORM:45  
  • FATIGUE:48

簡単に言うと、レベルは高い(FITNESS:99)し、疲労は軽い(FORM:45、FATIGUE:48)という数値なわけです。つまり最高。にも関わらずのカラダの重さ。フロントへ行き、熱を測ってみると、37.0度。うーん、これはこれは。


思い当たることといえば・・・前日の長風呂か・・・


僕が宿泊したホテルに屋上×高濃度炭酸泉という神の組み合わせではないか、と思えるほどの温泉がありまして・・・受付に向かうまで時間があるということで、90分くらい入ってしまったんですよね・・・この景色を独り占めできたら・・・そりゃ入るでしょ。

これが湯冷め・・・か・・・?

いや、長風呂が良くないことはよくわかっていたし、気持ちよく風に当たっていたら湯冷めするなんてことはかんたんに想像はできたんだけど・・・人間とは愚かな動物です。サウナは我慢したんだけどな。


合わせてお腹が痛くなり、何度もトイレ(大)へ。明らかに下痢傾向。これは・・・前日受付会場に行ったら、小さい子どもたちがみかんを売っていたんですよね。大きな声で。「お兄さん買ってください!」とか言うわけです。しかも安い。10個250円とか。

お兄さん、ビタミンCも風邪予防には必要だよな、と思って買ってあげたんです。そしてこれが美味しくて美味しくて・・・みかん大好きなんです。


1日で10個食べましたよね。ビタミンC満載。そして食物繊維満載=下痢。


大分の地で、みかんと長風呂に殺されるとは思っても見ませんでしたが、明らかにいつもと異なるアクションを2つも取ってしまい、2つともネガティブな反応の引き金になってしまいました。


しかし、ここでくじけても仕方ない!


兎にも角にも不安な体調の中、とはいえ大分まできてDNSすることもできない!と思い、食事(お餅を4つ)を食べてスタート地点へバス移動。程なくスタート地点に到着して準備を進めました。


僕はカテゴリー2(2時間55分以内の公認記録保持者)だったため、テントも充実、トイレも空いており、通常のマラソン大会よりもかなりゆとりがあったため、入念にウォーミングアップをしました。なんとか気を紛らわしながら・・・


しかし入念にアップすればするほどカラダが重いことを認識してしまい、メンタルはすでに負けモード。いろんな人に「体調悪いかも」「熱あるかも」と弱音を吐きまくりながら、スタート地点に並びました。


■レース展開

●START-5km

別府大分は持ちタイム順にゼッケンナンバーが割り振られ、その番号順に成立するので、スタートギリギリに並ぶ形でも問題なく、ストレスなくスタートを切ることができました。


スタート直後は案の定、カラダが重く、スピードに乗れませんでした。目標達成のためには5kmを18分20秒を切るペースで進まなければいけないのですが、最初の5kmですでにアウトペース。うーん、悪い予感しか当たらない。


また時計の自動ラップと手動での計測ラップに大きな乖離がかなりあり、自分自身との感覚ともズレが発生していました。こういうときは本当に駄目。手動ラップを正解としつつペースメイクするも、なかなか難しく、なんとも気持ち悪い感じで歩み(走り)を進めました。


コースは下り貴重で走りやすかったはずです。うん、はずです。


●5km-10km

うーん、調子が上がらない。そんな感じで走り続けていました。


すると5km経過したところ、ちょうど目の前で1人のランナーが早くもリタイアしたんですよね。ピタッと止まった。「あ、彼も調子悪くてこのまま走ってても幸せじゃないって判断したんだな」と思い、僕もそうしようかなという誘惑に一瞬かられるわけですが、流石にこんな序盤で勝負を投げるわけには行きません。見なかったことにして前を進みます。

しかしこの区間は若干登り貴重で、10km手前に大きめの上りがあり、さらに僕の心をへし折ってきます。心拍も170bpmを超えており、もうオーバーペース。

坂を下りきり、10km経過地点に到達したときには、1km3'55とかまでスピードが落ちており(自分ではそこまで落ちている感覚はない)、焦るよりも先に諦めの気持ちが。メンタルがポキン。自動ラップと手動ラップの乖離はさらに広がって行き、暗雲が立ち込めるどころかお先真っ暗になっていました。


●10km-15km

しかしながらこの区間はフラットで、海風も心地よく気持ちよく走れるゾーン。そうだ、大分まで来て、そんな早々にDNFするわけには行かないのだ!

メンヘラ女子のような気持ちのアップダウンを繰り返しつつも、気持ちを立て直し、なんとか呼吸を整え、体幹を意識し、ブレを無くすように意識を集中。スピードをペースアップしました。意識は東洋・相澤くんです。腕のフリを真似!真似!


すると、周囲の選手に追いつき、追い越す事ができるようになり(みんなオーバーペースだったのね)、うまいこと良いペースの集団を捕まえることもできたので、この区間はうまく足を運ぶことができました。スタート後、最もよい5000mペースはまさかのこの区間でしたね。



●15km-20km

しかしアイアムメンヘラ女子。少しでも向かい風を感じたら心はすぐに折れます。

広がる手動と自動ラップの差。海から徐々に強くなる向かい風。もう無理じゃん、ぜってー未達成じゃん。僕の心がダークサイドに落ちていきます。気持ち的にはベルセルクのグリフィスですね。ダークサイドに落ちきって、より強くなれればよかったのですが・・・


ダークサイドっぷりと呼応するようにお腹が痛くなる始末で、出来損ないの使徒状態。そんな状態で目に入ったのは「トイレまであと100m」の看板。若手起業家のように迷うことなくトイレに突き進み、カラダの中に溜まった負のオーラを聖水とともに外へ吐き出しました。


・・・俺の別大が終了した瞬間でした。


●20km-25km

しかしながら面白いもので、トイレ休憩が功を奏したのか、再び気持ちの良い感じで走れるようになったんですね。

2時間35分は切れないかもしれないが、40分切りはまだまだ狙える。十分すごいじゃないか。


20kmくらいでスタート地点の「うみたまご」に戻ってくるのですが、沿道の応援のちからを借りながらカラダを前に前に押していき、少しずつ前から落ちてくる選手を拾っていきました。

ペースは落ちているが順位は上がる。会ってはくれるが付き合ってはくれない女性のようなレース展開のなか、メンヘラは爆走します。


●25km-30km

25km地点からは海岸沿いを離れ、大分市街地戦に。序盤に僕を追い越していった大学生などにも追いつき始め、ペースは落ちているものの気持ち的にはまだまだ行けるぞ、という感じ。

このあたりはほぼ記憶がないけれど、30km以降なんとか足が持てば・・・とかなりビビりながら走っていました。30kmの壁が怖いので、27kmくらいでVespaを投入し、塩も2粒補給。準備は万端だったはずが・・・


●30km-35km

30kmを過ぎてから、ふくらはぎに異変を感じ始めました。最初はだましだまし走っていて、31km過ぎくらいでは、YouTuberランナーのHAGIさんに追いつき、追い抜くことにも成功(動画にちょこっと写ってる大きな背中が私)。確かHAGIさんは2時間40分切りが目標と言っていたので、彼が抜けるようであればまぁまぁセカンドターゲットには到達するのではないか。

そんなポジティブメンタリティをよそに、徐々に終わりが見え始める僕のふくらはぎ。徐々にピキピキと怖い反応を見せ始め・・・


●35km-40km

結果、35km以降は完全にダウン。足が終わった、というよりは、ふくらはぎが攣りまくってしまい(まぁこれを足が終わった、というのかもしれない)、おっかなびっくり走行。全身全霊の不完全燃焼。君が好きだと叫びたい。


この区間だけで、3回は立ち止まりましたね・・・止まっては走り出す、歩いては走り出す。これを繰り返し。止まる度に巻き起こる沿道の応援。途中からそれが若干気持ちよくなっちゃうほど、圧倒的に痙攣。


もうそこからスパートなんてもってのほかでして、そのまま苦しみながらゴールしました。うーん、気持ちのアップダウンがはげしく、最後まで難しいレースだった。残念無念。


■レース後

レース後はいそいそと着替えていたわけですが、座って休んでいると、足の裏に激痛があり、ほぼ歩けなくなりました。外傷ではなく、筋肉的な痛みでしたが、本当に激痛。歩くのがままならないレベル。レース中には全く感じなかったのに。

おそらくこのレース中には感じなかった足底へのダメージがふくらはぎに転移していたのだと思います。これがVFN%の呪いか。

そういう意味で僕はまだVFN%を履きこなせておらず、履きこなすために必要な筋肉群も痛みを通して理解することができました。足裏大事。



■今回の敗因と学び

問題の大きさから順に並べると、今回の課題は、

  • 前日の長湯(湯冷め)&みかん(下痢)
  • そもそもの体重(70.5kg)
  • VFN%への対応力(30km以降の失速)

このように整理ができると思います。逆に言えばそれ以外は完璧でした。

SSLABによる低酸素トレーニングは確実に効果を発揮しており、セカンドベストを出した前回の古河はなももマラソン時よりも3kgも重い状態で記録を更新。逆にあと3kg痩せられていたらとんでもないポテンシャルを引き出せると思っています。

2時間30分切りも全然夢ではない。

あとは本当に「レースという晴れの舞台、特別な日を、いつもどおり過ごす。」ということ。


レースが終わるまではとにかくカラダに負担を与えない。これが大切。今後はレース前日は湯船にすら浸からない方針で体調管理をしたいと思います。もちろんみかんの食べすぎもダメ!


しかしながら、今回で多摩川マラソングランプリ2018→つくばマラソン2018→勝田全国マラソン2019→古河はなももマラソン2019→別府大分毎日マラソン2020、と5連続でフルマラソンは記録更新ができています。改めて自分に自身をもって邁進したいな、と思います!


最後になりますが、上にも上げたSSLABには僕の可能性をとことん広げてもらっています。自己ベストを狙いたい人はぜひ通ってください!

また本レースのために、ではないけれど、レーシング用デニムランパンを投入できたのは大好きなマウンテンマーシャルアーツの渋井さんのおかげです。こんなにインスタにアップして問い合わせが多い商品ははじめて!いつか一般商品化される(はず)なのでお楽しみに。

月間500km〜600km、ラン、トレイル、バイクとカラダを酷使するアラフォーおじさんが怪我せず楽しめているのは「俺は摂取す」のおかげです(リンク先に割引コードがあるので使ってくださいね)。本当にここ最近は怪我から遠ざかっており、その分成長にコミットができています。


これだけサポート頂いているので、結果で返したい。ということで、出る気がなかったのですが、3/15板橋シティマラソン、ここでリベンジかましたいと思います!!



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