2年の時を経て「鴨蕎麦 尖」が改めて経営危機に陥ってまして、なんとか生き抜くために「お取り寄せ」をはじめました。
久しぶりにランニングネタではなく、僕が半身突っ込んでいる自由が丘の鴨蕎麦屋「尖」についての話題になります。
最近ソーシャルメディアを騒がせることも少なくなったので、ご存じない方・お忘れの方もいらっしゃると思いますが、ちょうど2年前、「経営が下手すぎる名店」として話題になったあのお店です。
当時、今をときめくスタートアップであるミラティブの赤川さんが発見し、当時の経営危機をソーシャルメディアで拡散。
【結構拡散希望】自由が丘にヒップホップがかかる超うまい蕎麦屋(6人入る)があるのですが、超おいしいのにびっくりするくらい経営がヘタすぎていま潰れそうらしく、マジこれは日本人の損失と思っています…。助けたいヒップホップ好きの資産家の方とかマーケター、お客様の中にいらっしゃいませんか…
— Junichi Akagawa @ミラティブ (@jakaguwa) March 23, 2018
これがめちゃくちゃ話題になり、赤川さん、ムーンショットのスガケンさん、boketeのプロデューサーなど伏線的に面白いことを仕掛けるプロデューサーであるイセオサムくんと4人で再建計画を練ったところが復活の始まりでした。
それからたまたま自由が丘に住んでいたよしみで、僕が実行を担うことに自然となりまして、そこから奇跡的な復活。まさかの蕎麦百名店に選ばれちゃうくらいまでになりまして、「経営が下手すぎて潰れそうな店」から「予約したくてもできないお店」に成長することができました。
もちろん、売上&利益ともに回復。関わる前の○倍くらいになったので本当にやればできると思いましたね(一時期は毎日の売上と原価を僕に報告してもらう日報マネジメントもやってましたw)。
ここまでくればもう大丈夫だ。もう僕の役目は終えたかな。
そう思ったのがちょうど一年くらい前です。時を同じくして自由が丘から住居を鎌倉に移したこともあり、同店との関係性は少し薄くなり、実は2020年になってからはまだ一度も顔を出していませんでした。あ、あと店主・阿部が若干調子こいてたのが気に食わなかったのも合ったかもしれません笑
スガケンさんに「尖、最近大丈夫なの?」みたいに聞かれても「最近連絡とってないんでわかんないすww」みたいな感じ。
そこにCOVID-19の到来です。飲食店のダメージは言わずもがな。マックス席数6席の夜1回転の弱小個人店舗のキャッシュでは早晩潰れてしまいます。ぶっちゃけ、経営が下手時代の借金の返済だってある。
せっかくここまで不死鳥のように復活したのに、瀕死のピンチです。この味を、死なせるわけには行かない。放ってはおけないと思い、再び連絡を取り合いました。
ということで、あまりにも当たり前の打ち手ですが、テイクアウトや出前、お取り寄せを検討させて頂きました。しかしながら、店主・阿部は経営は全くの素人ですが、料理人としてのプライドは(実は)高く、のびた蕎麦を提供してしまう可能性のあるテイクアウトや出前は絶対にやりたくない、と言い張り(僕はそんな場合でもないだろ、と思ったのですが)、今回「お取り寄せ」のみ対応させていただくことになりました。
お蕎麦は100%お店でお出しするものではありません。店主が大きな釜で湯で上げるスキルはやはり職人技。素人が家の小さな鍋で茹でる、しかもそばを打ってから多少時間が経った状態で。あまりにも普段と環境が違うため、店主・阿部は「お取り寄せに適した」蕎麦を研究に没頭しました。お家でも店舗の味に近づける、ではなく、取り寄せならではの蕎麦、を追求しました(これも阿部の言葉)。
経営状態的には今すぐにでもウェブショップをオープンしたほうがいいのに、「大介さん、もう少し時間ください。もう少し磨きかけます」と粘りまくったんですよこの男。僕はね、感動しました。何かをなすのはこういう粘りのある男だよ。
僕はこの男にパクセロイばりの熱量を感じました。以下は実際のやり取り(でっぷ=店主・阿部。なぜ「でっぷ」かは聞かないでください)。
僕はやはりベンチャーが大好きだし、ビジョンがあるやつが好きです。最後まで諦めず、粘るやつが成功すると思ってますが、そのためには大志がないといけない。でかい夢にワクワクしてればアラフォーのおっさんたちだって死ぬ気で働ける。
店主・阿部は人としては終わっている部分は多々あるのですが(人生の先輩だけども)、それでも蕎麦にかける熱量はすごい。日本一の鴨蕎麦の道を信じて疑ってないし、こうやってちゃんと粘る。諦めずにやる。
当然、ウェブストアなんて初めてなので、「めちゃくちゃうまい」という感想とともに「調理がしづらい!」「分かりづらい!」というコメントも頂きました(めちゃくちゃ今後も改善していきますm(_ _)m)。
ただ彼の口癖である「味でねじ伏せる」を胸にに、店舗&オンラインストアで引き続き鴨蕎麦屋をがんばって(僕はサポートして)いきたいと思います。
最後になりますが。元サイバーエージェントのよしみで、尊敬する後輩であるSTORESのCOO道廣氏に相談させて頂き、最高の状態でストレスなくWEBショップを構築できました。STORES最高!
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