信越五岳2019について、意気込みとか戦略とか、いろいろ書いてみる。

さて、信越五岳週になりました。昨年初めての100マイルレースと思い定めた信越五岳。中盤完全に撃沈し、命からがらなんとか完走した苦い思い出。そういえば、初めて100kmを超えるレースを完走したのも信越五岳(110K)。なかなかに思い出深いレースです。

はじめての100マイル | Mountain Martial Arts

トレイルランニングを始めると、「100マイル」という言葉が耳に入ってくる。100マイル=約160kmという途方もない距離を進むレースは、今ではトレイルランニング人気を支えるひとつのカテゴリーと呼んでも差し支えないだろう。実際、UTMBやUTMFといった100マイルレースを知ってトレイルランニングを始めたトレイルランナーは少なくない。 でも、100マイルの山岳を昼夜を問わず進む行為というのは、普通に生活していると想像がつかない。なぜ目指すのか。どうやって練習するの?そもそもその魅力とは。「?」があたまの中にたくさん浮かんでくる。 その疑問を紐解くヒントは、体験した人の中にあるのではないだろうか。そこで、この秋にはじめて100マイルに挑戦した市民トレイルランナーの渡邊大介くんの手記を掲載。仕事もアクティビティも熱意を持って全力で楽しむ。100kmレースの経験はあるが、100マイルはリアルではない。そんな大介くんがふとしたきっかけで一気に100マイルレースが視野にはいってきた。 挑戦の舞台は2018年9月15日から17日にかけて開催された信越五岳トレイルランニングレース(以下、信越五岳)。プロデュースするのは日本のトレイルランニングの草分け的存在でもある石川弘樹氏で、トレイルランニングを知り尽くした石川氏のプロデュースするトレイルレースはロケーションやホスピタリティのよさで人気があり、信越五岳はその筆頭だ。昨年が記念すべき100マイル第一回だったのだが、残念ながら台風接近のため短縮となり、今年が実質はじめての100マイルの距離での開催となる。 いち市民ランナーが挑んだはじめの100マイル。距離160km、累積標高6500m、制限時間32時間。楽しさも苦しさも、市民ランナーだからこそ共感できる壮大な旅のすべて。 9月15日〜9月17日にかけて開催された信越五岳トレイルランニングレース100マイル。昨年は台風接近のためコースが短縮されてしまい、実質今回が第一回目の開催となった本レースに参加してきました。 僕にとってはじめての100マイルレース。 30時間34分10秒。

Mountain Martial Arts(マウンテンマーシャルアーツ)公式サイト

はじめての100マイル(激闘編) | Mountain Martial Arts

2018年9月15日から17日にかけて開催された信越五岳トレイルランニングレース(以下、信越五岳)にて、満を持して初の100マイルレースに挑戦した市民トレイルランナーの渡邊大介くん。 いよいよレースがスタートする。160km先の彼方で見つけたものは。 9月15日19時30分、ついにスタート。 今年の信越は「霧」と「泥」のレースでした。気温は常に涼しく快適だったものの、とにかく路面がぐちゃぐちゃ、足首まで埋まってしまうようなサーフェスがいたるところにありました。また夜間は霧が深く、ヘッドランプを手に持って低く照らさないとよく見えない状況が長く続きました。 スタート直後、前半は勝手知ったる斑尾エリア。5年連続で「斑尾高原トレイルランニングレース」に出場している大好きなコースです。「斑尾高原トレイルランニングレース」であれば激走するコースを、100マイルなのでゆっくり走ります。意図的にゆっくり走り、順位を落としている計画的な自分。ちゃんと計画通りマネジメントできてるぞ、偉い偉い。そんなお利口な自分に笑みを浮かべる余裕すらありました。 とにかくスタートしたからの夜区間は気持ちよかった。スピードレースのような気負いもなく、呼吸が乱れることもない。前半の難所、斑尾山もいつの間にかピークハントし、第一関門の「レストランバンフ」では渋井さんに「かなりいい感じっす」とガッチリ握手。 そこから56km地点の「アパリゾート上越妙高」エイドではサポートクルーも待ってくれている。サポートクルーに何を話そうか、どんなお土産話を作れるかな?なんて思いながら走っていると、気分はどんどん上がってくる。サポートメンバーはエイドの価値を高めてくれる。そんなことを思いながら、前半戦は徹頭徹尾、ただひたすらに楽しんでいました。 そんな絶好調の僕に違和感が訪れたのは、朝を迎えた70km地点くらいからでした。 眠い、眠い、眠い。そして脚が重い。そびえ立つ直登、脚が進みません。感じたことのない絶望感、疲労感に思わずトレイル途中で膝を抱えて仮眠。人生初のレース中の仮眠でした。 いつからこんなに不調になったのか。すでに記憶が曖昧。全然気持ちが持ち直せない自分に困惑しつつ、止まっては歩き、また止まっては歩く。これを繰り返す。

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尊敬する(というかただのファン)石川弘樹さんのプロデュースレースであり、日本のロングカテゴリにおいては、春のUTMF、秋の信越五岳(あるいはハセツネ)、というくらいに注目度も高いのではないか、と思います(今年はUTMBが盛り上がって、そっちに熱を持っていかれた感はあるけれど)。


■なぜ110Kなのか?

今年はそもそも信越五岳に出場する予定がありませんでした。昨年でけっこうお腹いっぱいだったのと、ぶっちゃけ100マイルはしんどいな、と思っており(笑)、だれかのペーサーやサポートでもしようかな、と思っていました(50〜100kmくらいが主戦場な気がしている)。

気持ちが変わったのは、チームメイト(ダブルサバイバー)でもあり、RUN BOY!RUN GIRLS!アスリートでもあり、トレイルランニング界のニューヒーロー(まだ賞味期限持ってる?w)でもある村田諒が参戦するという話を聞いたから。

村田をトレイルランニング業界に引きずり込んだ張本人の一人でありながらも、2018年のSTYあたりからの村田の戦績は輝かしいものがあり、チーム内でも「村田が一番速い説」みたいな水曜日のダウンタウンで検証もなされないような説が流れておりました。

ダブルサバイバーの面々は、平均30歳半ばになり、家庭を持ち、すっかり落ち着いていたりもするので、「まぁ、村田には敵わないよね」感が満載なのですが、そこは「体はおじさん、心は中2」の僕は納得がいきません。


直接対決はそんなにしたことないし(たぶん去年の志賀高原でお互いイマイチな結果だったレースで負けて以来してない)、フルマラソンのベストタイムはぶっちゃけ俺のほうが10分弱速いし、俺はまだ負けたとは思ってないぞ?と、部長なのに一番子供っぽいマインドセット満載なわけです。(それが良いと思っています、だって男の子だもん)

と、いうことで、自分との戦いであるトレイルランニングにおいて、あえての「打倒・村田」を掲げて参戦を決めたのでした。

※ただ村田は怪我をしてしまったようなので、渡邊としては目標を「総合入賞」にしぼりました。


■信越五岳2019の戦略について

僕が好成績(房総半島2018準優勝、湯沢スカイ2018準優勝など)を収めることができたレースは、ほぼ例外なく「ネガティブスプリット」で展開したレースです。UTMFも序盤は360位くらいをさまよっており、後半300人抜きをして45位でゴールしました。

信越ではそこまで順位を落とせないけど、後半上げていく戦略に変わりはなし。序盤のスピードレースには付き合わず、レストランバンフで30位。そこからじわじわと順位を上げて黒姫で20位。みんなが疲れてきたタイミングの林道、フラット区間で一気に順位を上げ、戸隠で10位以内。ラスト瑪瑙山〜林道を力の限り振り絞る。

良くも悪くも気持ちに左右されるタイプなので、後半アゲアゲ戦略で行きます!


■信越五岳に対する意気込み、的なサムシング。

実は「このレースのために色んなものをかなぐり捨てて努力してきた」という感じは全くありません。確かに、

  • 糖質を制限しました(現在は少し緩めて、毎日120g以下)
  • アルコールを制限しました(2ヶ月半アルコールを未摂取)
  • 毎週のTSSは平均1000オーバー(分かる人には分かる)

上記には取り組んでおり、かなり質の高い仕上がりを実現できてるとは思います。8月も650km走ったしね。

ただ、やっぱり僕は走るのが好きだし、根暗な性分なので「一人で10時間山を走る」ことも苦じゃありません。むしろ楽しいくらい。

たまにアルコールも飲みたくなるけど、最近酒癖悪くなってきたし、もはや経営リスク感あるし、鎌倉に移住してから都内で飲むと億劫だし、ということでそこまで、こちらもそこまで苦ではありませんでした。信越終わったあとに飲む酒は楽しみだけどね。


なので「鬼気迫る」感じは全く無く、ただただ信越五岳本番が楽しみで仕方ない。きちんとパフォーマンスを発揮すれば、きっと目標は達成できるはず。たとえ何らかのアクシデントがあっても、それすらも楽しめる準備はできている。どんとこい。


出場される皆様、楽しみましょう!








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