VRの「臨場感」をHRにどう活かしていくか。

居酒屋アルバイトの若人がハッピ姿にVRヘッドセットを装着して浜松町のセミナールームに現る・・・今日の僕の一日はそんな特殊なシーンから始まりました。


本日は塚田農場などで有名なAPカンパニーさんの新しい人事制度リリースの場にご招待頂き、実際に体験させてもらいました。APカンパニーさんは当社設立以降「人事行脚」させて頂いている中でも人事施策に対して非常にチャレンジングに取り組んでおられる数少ない会社の一つであり、今回も非常に先進的なリリースをされ、すでに注目を集めています。


今回同社がチャレンジするのは・・・VR×アルバイト研修、というありそうでなかった、誰かがやりそうでやれていなかった領域です。

VR×HR系のニュースで言うと、日本ではアクセンチュアさんが少し前に「VR面接」なるものをリリースしていましたね。VR系はニュースバリューも高いので、すでにメディアで取り上げられていますね。


生産者の想いをVRで伝える塚田農場の新たな取り組み


今回の取り組みは、同社の最も重要な経営資源である5000人弱のアルバイトに対して、VRを活用した養鶏場体験をしてもらう、というもの。同社は「生販直結モデル(「生産」から、物流・加工の「流通」、及び外食店舗等での「販売」までを自社で一貫して手がけるモデル)」を掲げていますが、社員だけでなくアルバイトにもその理念を浸透させるべく、VRを通してROI高く浸透させるのが狙い。


その意図のもと作られたコンテンツは、①聖域編、②養鶏編、③処理加工編と3つの体験に分かれているんですが・・・③はまさに屠殺(同社は放血と言う)のシーンを扱うので、さながらホラーVRのようでありました・・・が、その衝撃的なシーンは確かに「日々命を頂きながら命を得ている」ことを実感させてくれるものでもありました。


同社大久保副社長が講演後におっしゃっていたのですが、「スキルを教えるのはテキストや動画で良いと思っている。ただ共通意識やミッションの浸透は強烈な体験で浸透させたほうが良い。そのためのフォーマットとしてVRは最適。」という旨のコメントをしており、なるほどな、と思わされました。


VRによって「距離」を超えて体験できる、というのはインターネットの特徴の延長であって、それだけで革新的なわけではない。臨場感・没入感というファクターがやはりVRのユニークなところであり、それを人事に生かす、という意味では、そういう強烈な体験を通してでしか伝えられないもの、決定的な瞬間みたいなものを提供できるのは非常に良いな、と感じました。


今後リモートワークなど様々なワークスタイルが提案され、浸透されていくと思うのですが、臨場感、その場にいることでつながることの意義は当分消えなそうですし(それは論理というよりも感情的な理由で)、一方でそういう非論理の演出力がもたらす力は嫌というほどわかっています。サイバーエージェントでは半期に一回社員総会という数千万円規模の大規模イベント(元々はリクルートさんのキックオフを参考にしたイベントだと思うのですが、その豪華さはもはや本家を超えています)を実施しているのですが、その時の「MVP受賞経験」とか内定者にやらせてみるとか・・・うまく作れれば強烈な瞬間になるかもしれません。


VRはまだ飛び道具感があり、人事の皆さんは一同様子見、というところが本音だと思います(僕もそのうちの一人)。APCさんにはぜひ先陣を切り、良いリザルトを残していただいて、VR×HRテックの風穴を開けていただきたいと思います!応援!

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