【シューズレビュー】HOKA ONE ONE「CARBON X(カーボンエックス)」

たくさんレビューされているので僕が今更書く必要もないし、シューズレビューというものは大して参考にもならないよね、ってのも前提に置きつつ書いてみます。


そもそもマラソンオフシーズンであるこの時期に、ロードランニング用のシューズを買うモチベーションはかなり低い(ZoomX Vaporfly NEXT%にも触手が伸びない)のですが、CARBON Xの新色は明らかに購買欲を掻き立てられました。


■CARBON Xの履き心地は?

さて、名前の通り、カーボンプレートをミッドソールに搭載している本プロダクト。カーボンプレートといえばヴェイパーフライなので、どうしても比較するしかないのですが、まったくもって別物ですね(当たり前)。

簡単にまとめると、いろんな要素を「スピード」に傾けて作ったのがヴェイパーフライだとすると、いろんなところに考慮して「バランス」を取りに行ったのがCARBON X、という感じ。同じカーボンプレートだけどぜんぜん違う。カーボンプレート=速い、ではないんだな、と。


正直に申し上げて、ヴェイパーの持っている爆発的な反発力を期待しちゃうと、正直ガッカリします。ズームフライと比べても低い印象。プレートの形の問題なのか、ヴェイパーのあの「勝手に走らされちゃう」ような感覚はありません。

ドロップ(つま先-かかとの高さの差)は5mmと、かなりフラット。ヴェイパーは9mmなので、このあたりも推進力に影響を与えていると思います。とにかく反発力、推進力はNIKEのズームシリーズに完全に軍配です。軍配というか、思想が違うんだろうな。


上の比較画像を見ていただいても分かる通り、ヴェイパーとは比較にならないほどの厚底。ソールの設置面積も明らかに大きい(ヴェイパーはこの厚さなのに接地面積が狭い)。接地面積が大きければ大きいほどバランスは取れるが、スピードの出力にはマイナス。HOKAのシューズは厚底でバランスが悪い分、ソールの接地面積でバランスをとっていると思うんだけど、そういう意味では他のHOKA同様、スピードモデルではやはりないな、と。(ヴェイパーは厚底なのに接地面積は狭い)。

またヴェイパーはヒール部分のバランスば悪く、ヒールストライクで走ると明らかにおかしくなるんだけど、CARBON Xはヒールで設置しても、バランスを取りながら前にグルんと持ってきてくれるので、そういう意味でも万人向け。

加えて、もともとHOKAの厚底はクッショニングに特化している気がしており、そのHOKAシリーズの中では「沈み」が少なく、走りやすいのがCARBON Xなのかな、と思いました。


■CARBON Xはどんなレースに向いている?

  • HOKAの持つクッショニング
  • カーボンプレートによる「沈み」の回避
  • 接地面積が大きいことによるバランス
  • アッパー素材のゆとり
  • 低ドロップ(5mm)


上記のような特徴を持つシューズなので、確かに「ウルトラマラソン」には向いている感じはする。ただ、個人的にはウルトラとフルマラソンで走り方を大きく変える気がないので(ウルトラだから厚底、って固定観念に過ぎないのではないかと思っている)、ウルトラマラソンではヴェイパーフライ、ないしズームフライ、あるいは相性の良いアルトラ「パラダイム」をチョイスする可能性が高い。


個人的には「峠走」で活用したい。低ドロップなので、下りのバランスも取りやすいし、上りは設置時間を多くして大きい筋肉を動かしたいので接地面の大きいシューズは意外と良いのではないか。トレーニングシューズとしてはとても優秀。

また下りのダメージに対してもポジティブだと思うので、先日出場した「乗鞍天空マラソン」なんかは調子が良い気がします。


■改めてCARBON Xの魅力は?

と、いろいろ書きましたが、明らかな魅力はデザイン。めちゃくちゃかわいい。

普通に普段履きできるし、愛用の可能性大。

性能に1万円、デザインに1万5千円、合計2.5万円、というのが我的評価、です。勝負レースでは使わない可能性が高いけど、グループランやチーム練習では多用すると思います。


■CARBON Xの入手方法は?

今回のカラーもオンラインストアは瞬殺でした。僕は御徒町のアートスポーツで購入しましたが、渋谷のスポーツゼビオがどうやら在庫が豊富そう(穴場らしい)です。

ヴェイパーフライのサイズが27cmで、CARBON X27cmなので、多くの人は通常サイズで良いかな、と思うのですが、アッパーのゆとりや足幅はいわゆる「HOKAっぽさ」があり、なれていない人には違和感があると思います。

できればオンラインストアではなく、店舗で購入いただくのが良いのではないかと思います!

発売当日に店舗に行けば買えそうでした。(アートスポーツには少し人が並んだらしいですが、昼過ぎでも買えました。とはいえ27cmは最後の一足だった)







0コメント

  • 1000 / 1000